【Visa Blog】タッチ決済による乗車が普及

07/20/2020

公共交通機関の再開に伴い、500以上の都市が Visaのタッチ決済ソリューションを採用へ
Cubicとの国際パートナーシップの拡大により未来の運賃支払いを実現

 

*本内容は 2020年7月16日米国にて発表されたVisa Blogの抄訳です。

ご参照: https://usa.visa.com/visa-everywhere/blog/bdp/2020/07/14/transit-riders-are-1594762921880.html

Visa Blog 

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が多くの人々、コミュニティー、産業に甚大な影響を及ぼしています。公共交通機関も例外ではなく、通勤者の在宅勤務が本格化する一方で、社会で必要不可欠な働き手である「エッセンシャルワーカー」による交通機関の利用は続いています。世界各地で活動再開が様々な段階にあり、経済の回復に向け交通機関の担う役割は重要です。

COVID-19の流行発生前、地下鉄、鉄道、バスなどの交通機関は多くの人が日々利用する重要な移動手段でした。現在、乗客数は増加しつつありますが、まだ流行前の水準には回復しておらず、世界中の都市や交通機関が、移動手段の安全性、信頼性、効率性を模索しています。米国では半数近くの人が「公共交通機関の利用には、COVID-19による高い健康リスクがある」と述べており1、交通各社は、利便性に加え顧客の安全性と信頼の構築という新たな課題を克服できるかどうかに成功が左右されると認識しています。

 

車内でタッチ決済

Visaタッチ決済による運賃支払いが世界で回復傾向

 

生活に欠かせないシステムである交通機関は、利用客の安全性や信頼を確保するため、マスク着用の徹底や24時間の消毒体制、非接触型タッチ決済の導入など、懸念や不安を払拭する様々な変更の取り組みに投資しています。タッチ決済は今やスピーディーな支払いのために持っていると便利なものというだけではなく、安全確保のために欠かせないものとなりました。これにより乗客は、乗車券の購入やカードチャージのために列に並び端末にタッチしたり、わざわざ財布を取り出して現金で支払ったりする必要がなくなりました。オープンループの非接触型決済により、タッチ決済対応のカードやモバイル機器をリーダー端末にタッチするだけで乗車することができます。

これが長期的なニーズとなると認識する世界中の都市では、交通機関にタッチ決済を導入する取り組みが進んでいます。運賃のタッチ決済は、4月に全世界で最低に落ち込み、現在も流行前の水準には回復していませんが、この2ヶ月で上昇傾向にあり、6月末までに187%増の回復となりました2。現在Visaは世界各地で500件以上の交通機関プロジェクトを進めており、流行が蔓延する中、数々の都市でタッチ決済ソリューションの導入を支援してきました。ブリュッセル、ブラチスラヴァ、ブカレスト、香港、サントドミンゴ、トリノでプロジェクトが稼働しており、その他のプロジェクトも急速に展開されています。

ブリュッセルの交通会社STIB/MIVBは、メトロ全体(地下鉄、トラム、バス)にタッチ決済端末を導入し、車内での支払いが可能となったことを最近発表しました。4月以降、ヨーロッパにおけるVisaの対面取引の7割以上がタッチ決済テクノロジーによるものでした。米国では、Monterey
Salinas Transit(MST)がカリフォルニア州で初めてタッチ決済ソリューションを導入することをCaltrans、Cybersource、MST、Visaが発表しました。これによりMSTの乗客の日々の利用が便利になるだけでなく、California Integrated Travel Projectの一環としてカリフォルニア州全域の何百もの交通機関で一貫した決済の展開が可能となるソリューションを構築します。

このような新たな状況に対応するため、VisaはCubic Transportation Systemsとのパートナーシップを拡大しました。Visaが国際的に展開する信頼性の高いネットワークとCubicのインテリジェントな交通ソリューションのインテグレーターとしての専門性を組み合わせ、世界中の顧客の移動体験を向上させています。両社はロンドン、マイアミ、ニューヨーク、シドニー、バンクーバーなどの都市で、タッチ決済で鉄道やバスに簡単に乗車できるオープン決済ソリューションを立ち上げています。パートナーシップの拡大により、VisaとCubicは世界のさらに多くの人にオープン決済テクノロジーとモビリティーソリューションを提供します。

● Cubicの端末およびバックオフィスソリューションが Visa Readyを取得したことで、同社はVisaのグローバルな Mass Transit Transactionモデルにより、迅速かつ容易にタッチ決済ソリューションを大規模に展開することが可能となります。交通機関はCubicのようなVisa Readyパートナーと協業してVisa Ready対応ソリューションを設計、開発、展開することで、新たなタッチ決済プロジェクトの開始を検討している都市にとって重要な要件である市場投入までの時間を短縮することが可能となります。Visa Ready for Transitの全世界のパートナー数は、2019年10月の100社から現在150社に拡大しています。

 
● Visaの国際決済管理基盤Cybersourceを通して、Cubicは柔軟で拡張性が高く安全な、交通系のコンプライアンスを満たすプロセシングソリューションや、付加価値の高いサービスを利用することができます。

          
● VisaとCubicは共同で研究開発や革新プロジェクトを推進し、都市交通の未来を実現します。

 

交通会社はより柔軟で公正で回復力のあるシステムの構築に投資しており、タッチ決済はこの取り組みの中核となります。都市の長期的な公衆衛生は再び動き出す世界にかかっており、タッチ決済はその実現に向けた手段の一つとなります。

1 Eno Center for Transportation, How Might Personal Transportation Behaviors Change as a Result of COVID-19, and What Does That Mean for Policy?(新型コロナウイルス感染症による個人の移動行動の変化とそれに対応する方針のあり方) , 2020年4月7日

2 VisaNet; 2020年4〜6月